『どこかで涙が湧き出でて』 鄭玄宗
『どこかで涙が湧き出でて』
鄭玄宗 著 / 徐載坤、林陽子 訳 / 青木由弥子 監修
港の人 / 四六判並製 / 224P
現代韓国詩を代表する詩人・鄭玄宗(ジョン・ヒョンジョン)。1972年の第一詩集『事物の夢』から2022年の『どこかで涙が湧き出でて』まで、激しく変転し続ける韓国社会のなかで詩を書き続け、11冊の詩集を刊行。空、海、大地……万物との交流のなかで人生の真理を追い求め、いのちの言葉を語る。かたわら延世大学教授をながく務め、教え子に2024年ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンがいる。
本詩集は11冊の詩集から代表的な作品を厳選し、オリジナル編集により、その広大な詩世界を初めて日本に紹介する。
著者プロフィール
鄭玄宗(著)
ジョン・ヒョンジョン。現代韓国詩を代表する詩人。韓国芸術院会員。延世大学哲学科を卒業後、出版社と新聞社を経て、延世大学国文科教授。1965年、『現代文学』を通じて登壇し、1972年第一詩集『事物の夢』を上梓。以後、2022年『どこかで涙が湧き出でて』まで11冊の詩集を刊行。パブロ・ネルーダなどの海外文学の翻訳でも活躍。〈大山文学賞〉〈未堂文学賞〉他、2004年の〈パブロ・ネルーダメダル〉など、国内外の各文学賞を受賞。
徐載坤(翻訳)
ス・ゼコン。韓国外国語大学日本語通翻訳学科教授。韓国啓明大学校日文科卒業。東京大学大学院国文科卒業。文学博士。日本近現代詩が専門。韓国の現代詩を積極的に日本に紹介している。論文に「茨木のり子詩考察──戦争表象を中心に」ほか。著書に『『日本詩人』と大正詩──〈口語共同体〉の誕生──』(共著)、訳書に呉世栄著『千年の眠り』(林陽子共訳)。
林陽子(翻訳)
仁徳大学語文社会学部副教授。専門は韓日比較文学。おもな研究実績に「韓国近代文壇と日本文学」、訳書に金素月著『つつじの花』、呉世栄著『千年の眠り』(徐載坤共訳)。
青木由弥子(監修)
詩人、評論家。学習院大学文学部哲学科卒業、早稲田大学大学院文学研究科美術史学修了。詩集に『星を産んだ日』『しのばず』、評論に『伊東静雄―戦時下の抒情』。