『埋葬』 横田創
『埋葬』
横田創 / 中央公論新社 / 文庫判並製 / 320P
1999年、河口湖町の廃ホテルで起きた母娘の死体遺棄事件。
犯人と目された少年の裁判の最中、被害者の夫は謎の手記を発表し失踪。
10年後、ジャーナリストが再取材を行うが、関係者達の告白は事件の構図を次々と塗り替えてゆく……。
読者を幻惑・酩酊させる仕掛けで、純文学×ミステリ×フェイク・ドキュメンタリーの歴史的達成として小説界を騒然とさせた衝撃作、ついに文庫化。
本作ははたして、現代の「藪の中」か、ミステリを逆手にとった奇書か、あるいは小説の極北か――
文庫化にあたり、ボーナストラックとして、著者独自の犯罪小説二篇(「トンちゃんをお願い」「わたしの娘」)を書籍初収録。