『無垢なる花たちのためのユートピア』 川野芽生
『無垢なる花たちのためのユートピア』
川野芽生 / 東京創元社 / 文庫判並製 / 400P
楽園に一番近いはずの船のなかで、
一体なにが起きていたのか。
言葉によって現実を作り変える
いま最も注目される作家、川野芽生の初小説集
純粋無垢な少年たちとその指導者を乗せ、天空をゆく船。最も楽園に近いはずの船上で起きた悲劇と、明らかになる真実とは(「無垢なる花たちのためのユートピア」)。人間が人形へと変化してしまう病が流行った村で、ひとり人間のままの姿で救出された少女は、司祭のもとで手厚く看病される。しかし怪我が癒え、うつくしさを取り戻した少女は限りなく人形に近づいているようで……(「人形街」)。歌人・小説家川野芽生の初小説集、待望の文庫化。
■目次
「無垢なる花たちのためのユートピア」
「白昼夢通信」
「人形街」
「最果ての実り」
「いつか明ける夜を」
「卒業の終わり」