『かめたいむ』 北野勇作
シリーズ 百字劇場4
『かめたいむ』
北野勇作 / ネコノス / 文庫判並製 / 208P
著者のライフワークとも言える【ほぼ百字小説】は、Twitterで毎日発表され続けており、その数は5000を超える。膨大な作品群から選り抜かれた200篇のショートショートを本作に収録。シリーズ百字劇場として、SFとして括られるタイプの作品を集めた『ありふれた金庫』、タヌキが登場する作品を集めた『納戸のスナイパー』、猫が登場する作品を集めた『ねこラジオ』の3作に続き、第4弾は「亀」が登場!
飛行機雲のまっすぐさのために飛行機がある。夏の暑さを熱の流れと思う。コペルニクス的転回という言葉があるが、このシリーズの100字内でしばしばみられる転回は独自に「キタノ的」と呼びたくなる簡潔さ、心地よさがある。その心地よさは、たとえば亀をたゆまず飽かずにみていられる、感じていられる北野さんだけの胆力で生み出されているのだ。(解説より)
北野勇作によるマイクロノベル「シリーズ百字劇場」第四弾には亀が大集合。亀は亀として生物の時間を歩みながら、ときに人の時間を横切り、ときに世界の流れを止め、気づけば私たちを映す鏡になっている、のかも。
版元から一言
100文字あれば、すてきな世界も、奇妙な宇宙もつくりだすことのできるショートショートの奥深さ。子どもが初めて体験する「小説」としてもうってつけです。過去3作は、小学校での読書会や創作練習の教材としてもお読みいただいております。わずか100文字で構築される世界をぜひお楽しみください。