『ソヨンドン物語』 チョ・ナムジュ
『ソヨンドン物語』
チョ・ナムジュ 著 / 古川綾子 訳
筑摩書房 / 四六判並製 / 224P
弱肉強食社会で人間らしさを失わずに生きるには?
資産価値にこだわる者の果てしない欲望と苦悩。
持たざる者の苦労と、未来への希望。
韓国中間層の現実をリアルに描いたハイパーリアリズム連作小説。
舞台はソウルにある架空の町〈ソヨン洞(ドン)〉。近年の不動産バブルやマンション購入、過剰な教育熱、所得格差といった社会問題が、住民の悲喜こもごもとともに描き出される――。
「私が伝えたかったのは、
個人ではどうすることもできない時代と社会の不幸を前に、
我々はどんな選択をできるのか、
どんな態度をとるべきかという悩み、
さらには人間らしさを失わずに生きる方法に対する問いかけでした」
(「日本の読者のみなさんへ」より抜粋)
目次
春の日パパ(若葉メンバー)
警告マン
シェリーのママ、ウンジュ
ドキュメンタリー番組の監督、アン・ボミ
百雲(ペグン)学院連合会の会長、ギョンファ
教養あるソウル市民、ヒジン
不思議の国のエリー
作家の言葉
日本の読者の皆さんへ
訳者あとがき