『数学者の朝』 キム・ソヨン
セレクション韓・詩03
『数学者の朝』
キム・ソヨン 著 / 姜信子 訳
クオン / 四六変形判並製 / 176P
えない場所、聞こえない声、いまだない言葉
語りえない物語のために
詩が広く愛されている韓国において
文学性と社会性を兼ね備え、深く心に刻まれる詩を紡ぐ
キム・ソヨンの単著詩集を初邦訳。
韓進自動車の労働者の闘争に寄り添って書かれた「主導者」、
映画「詩人の恋」で朗読された「だから」など、49編を収録。
第八回日本翻訳大賞受賞作『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』の監訳者
姜信子による翻訳でお届けします。
「詩は読み解くものではなく、生きるもの。
埋めるべきものがあるとすれば、
それは、詩を生き、旅を生きる自分自身の空白なのですから。
この詩集を手に取って旅人となったあなたも、それは同じ。
今さら気づいても、もう引き返せない。
(ああ、なんてこと、キム・ソヨン!)」
――姜信子(訳者あとがきより)
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「セレクション韓・詩」は、
韓国語で紡がれた同時代の詩のことばを贈るシリーズです
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目次
第一部 遺書なき皮膚を軽蔑します
陰/ああ、バートルビー/主導者/数学者の朝/だから/おもちゃの世界/平澤/そういうこと/定食/愛と希望の街/オキナワ、チュニジア、フランシス・ジャム
第二部 痛みは若葉の色に
旅人/ひとり/反対語/激戦地/痛みは若葉の色に/ワンルーム/一味ども/夜明け
第三部 便りが必要
熱帯魚は冷たい/重なりあう椅子/望遠洞/外に生きる人/郵便受け/噓/ほこりの見える朝/誕生日/風船人間 /坑/別れる者のように/内面の内情/誰かが隣でしきりに問いかける/ふたり/秘密の花園/傾きについて―シン・ヘオクに
第四部 河と私
異邦人になる時間/河と私
第五部 遠い場所になりたい
未来が降りそそぐなら/失敗の場所/ふとんの不眠症/広場の見える部屋/幸いなること/メタファーの質量/終バスの時間/在ること、成ること/二十回の二十歳/ほんとにほんとに楽しかった/ガリバー/玄関
解説 凛々しく悲しく――ファン・ヒョンサン
訳者あとがき ああ、なんてこと、キム・ソヨン!