『老人ホーム 一夜の出来事』 B・S・ジョンソン
『老人ホーム 一夜の出来事』
B・S・ジョンソン 著 / 青木純子 訳
東京創元社 / 文庫判並製 / 352P
ある一夜の同じ場面が、九人それぞれの章の
同じページ、同じ行に浮かび上がる。
九つの章が同時進行する傑作実験小説!
ある老人ホームの一夜。八人の老人と一人の寮母。食事と作業とお楽しみ会……。体力も知力も異なる八人の老人たちと寮母に、時は等しく流れる。登場人物九人の同時進行小説。同じ場面のそれぞれの行動、意識(があれば、だが)が、各人に割り当てられた章の同じページ、同じ行に浮かび上がる。傑作実験小説! 解説=若島正 (『老人ホーム 一夜のコメディ』改題文庫化)
著者プロフィール
B・S・ジョンソン (ビーエスジョンソン) (著/文)
B・S・ジョンソン
1933年、イギリス、ロンドン生まれ。ロンドン・キングズ・カレッジ卒業。デビュー作でT・S・エリオットに認められ、グレゴリー賞を受賞。その後、次々に実験小説風の作品を発表し、三作目の『トロール』でサマセット・モーム賞を受賞。ジョイス、ベケットの後継者として脚光を浴びた。創作活動は、小説のみにとどまらず、戯曲や詩にも及ぶ。映画・TV作品も手がけ、自ら監督も務めた。1968年には、世界短編映画祭でグランプリを受賞。73年、ロンドンの自宅で自死。