『ハマれないまま、生きてます こどもとおとなのあいだ』 栗田隆子
シリーズ「あいだで考える」
『ハマれないまま、生きてます こどもとおとなのあいだ』
栗田隆子 / 創元社 / 四六変型判並製 / 176P
「『大人になる』ってどういうこと?」
「私、何歳になっても『大人になった』気がしない」──
いま、子どもと大人の境界はますます曖昧になっている。本書では、子どもにも大人にもハマれないまま生きてきた著者が、自らの内なる「子どもと大人のあいだ」を見つめ、そこにうごめく性と暴力、死への衝動や生きることへのあがきを正直に、時に飄々と描く。そして幼少時から周囲の求める「○○らしさ」と闘い、やがてフェミニズムとキリスト教に出会い、言葉と思想を獲得してきたプロセスを語りだす。子ども/大人の二分法を超えて、「ひと」のありようを問う1冊。
(装画:ミロコマチコ)
目次
はじめに
1章 6月は絶望の月
大人になることへの絶望、大人であることへの絶望
HAPPY BIRTHDAY SIXTEEN
2章 「子ども」にハマれない
子どもらしくない子ども
フィクションの中の子ども
ダンゴムシへの共感
間奏曲 「子どもを書く」ということ
3章 「子ども」の私のセクシュアリティと自己否定
性の欲望と恥を秘めた幼稚園時代
『My Birthday』と不安
否定が内側に入りこむ
暴力と私
4章 ……まま、生きてます。
持って生まれたフェミニズム
正直であること・疑問を持つこと
私にとっての信仰
ダンゴムシ時々エビになる
おわりに
こどもとおとなのあいだをもっと考えるための作品案内
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シリーズ「あいだで考える」
不確かな時代を共に生きていくために必要な
「自ら考える力」
「他者と対話する力」
「遠い世界を想像する力」
を養う多様な視点を提供する、
10代以上すべての人のための人文書のシリーズ。