『ソフィアの災難』 クラリッセ・リスペクトル
『ソフィアの災難』
クラリッセ・リスペクトル 著 / 福嶋伸洋、武田千香 訳
河出書房新社 / 四六判上製 / 304P
『星の時』(福嶋伸洋訳・第8回日本翻訳大賞受賞)の著者による日本オリジナル短篇集。世界文学に彗星のように現れたデビューから51歳でむかえた死の直前まで、全短編からセレクト。
今、すべてが生まれ変わりつつあった――。日本翻訳大賞受賞『星の時』の訳者であり、ウルフ、カフカ、ジョイスらと並ぶ20世紀の巨匠。死後約40年を経て世界に衝撃を与えた短篇群。
10代から晩年の作品まで。
南米の巨匠の全貌を示す衝撃の短篇群、日本オリジナル編集。
若者の目覚め、主婦におとずれた啓示、
少女の運命、出口を求める老婆――。
一貫性を捨て、混沌へと向かう、
鋭利な言葉と燃え盛る世界。
「暑さがますます蒸せ返り、すべてが力と大きな声を獲得していた。祖国志願兵通りは、いまにも革命が勃発しそうで、下水の格子蓋はからからに乾き、空気は埃っぽかった」(「愛」より)