『セザンヌの犬』 古谷利裕
『セザンヌの犬』
古谷利裕 / いぬのせなか座 / 四六変形判並製 / 304P
いくつものときとばしょが
生きものや物たちのもとで折りたたまれてはひらかれ
だれもしらない思弁的な時空間が
この体のなかに降りてくる
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画家・評論家など多方面で活躍する著者が「自分のすべてがここに入っている」と語る、小説の新たな可能性を示す驚くべき初小説集。
連続講座、展覧会の開催にあわせ、ついに刊行。
『群像』『早稲田文学』『ことばと』などで発表された作品に、書き下ろしを加えた計7作品を収録。
編集・デザインは、古谷の小説に大きな影響を受けてきたと語る「いぬのせなか座」山本浩貴が担当。
目次
「ふたつの入り口」が与えられたとせよ
ライオンと無限ホチキス
セザンヌの犬
グリーンスリーブス・レッドシューズ
ライオンは寝ている
右利きと左利きの耳
騙されない者は彷徨う
著者プロフィール
古谷利裕 (フルヤトシヒロ) (著)
1967年生まれ。画家、評論家。
1993年東京造形大学卒業後、画家として展覧会多数。
評論家としても、美術・小説・映画・アニメなど特定ジャンルに限らない活動を展開。『世界へと滲み出す脳』『人はある日とつぜん小説家になる』『虚構世界はなぜ必要か? SFアニメ「超」考察』など著書多数のほか、2010年~2019年には「東京新聞」美術評を、2020年には「文學界」新人小説月評を担当。
1999年11月にはWeb上にて「偽日記」を開始。以降24年以上にわたって連日更新されている同ページは、ひとりのアーティストの長期的な日記として、また日本の芸術・思想の特異なアーカイブとして、小説家・保坂和志をはじめ多くの人々から高く評価されている。
近年は「社会的チートの撲滅&死の恐怖からの非宗教的解放」をテーマとする集団「VECTION」の主要メンバーとしても活動。
2024年1月からは連続講座 「未だ充分に尽くされていない「近代絵画」の可能性について(おさらいとみらい)」を、6月には個展「bilocation/dislocation」を開催。本小説集はこれらと関連して企画・制作された。