『クバへ/クバから』 三野新
『クバへ/クバから』
三野新 / いぬのせなか座 / A4判 / 140P
沖縄を、いま、東京から「撮影」する。
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写真を一種の演劇的手法としてとらえ、多くのパフォーマンスや演劇、展示作品を発表してきた写真家/舞台作家、三野新。
福岡出身・東京在住のかれが、分厚い「沖縄写真」の歴史と、自らの内なる抵抗感にともに曝されながら、リサーチや議論、実験的な展覧会の開催などを経てたどりついた、写真・ドローイング・戯曲などからなる特異な第一写真集。
一連のプロジェクトには、言語表現を中心に芸術と生と共同制作の意義を考えるコレクティブ「いぬのせなか座」が全面関与。コロナ禍においていかなる共同制作(の上演)が可能であったかをめぐる特異なアーカイブにもなっている。
付録小冊子には小田原のどか・佐々木敦が寄稿。さらに、いぬのせなか座の笠井康平がプロジェクトの振り返りを、山本浩貴が三野の活動全体を解説する巻末テキストを寄せる。
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☆第21回AAF戯曲賞最終候補
☆「朝日新聞」(評=長島有里枝)、「artscape」(評=飯沢耕太郎)、「美術手帖」(評=中島水緒)、「BRUTUS」、「悲劇喜劇」など各紙で紹介
著者プロフィール
三野新 (ミノアラタ) (著)
写真家、舞台作家。1987年福岡県生まれ。周縁化された場所やものに残る記憶や風景を繋ぎ、「ここ」と「あそこ」の中間項を見つけ前景化させることをテーマに研究と実践を行う。主に自身で撮影した写真・映像をもとにフィクションを作り、それを自己と他者の身体、様々なメディアを通して発表するなど、領域横断的に活動している。2011年早稲田大学文学部演劇映像コース卒業、2017年東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程修了。博士(芸術)。2022年から2023年までAsian Cultural Councilの助成を受け、ニューヨークに滞在。現在は東京と神奈川を拠点に活動。近年の主な展覧会・公演に「外が静かになるまで」(十和田市現代美術館、十和田市、2023)、「SEAsaw: 木曽川、宇宙を航海する」(mh PROJECT ノコギリニ、愛知、2023)、「YAU TEN」 (YAU STUDIO、東京、2022)、「クバへ/クバから」(ANB Tokyo、2021)、『うまく落ちる練習』(京都芸術センター、2019)など。