『理由のない場所』 イーユン・リー
『理由のない場所』
イーユン・リー 著 / 篠森ゆりこ 訳
河出書房新社 / 文庫判並製 / 272P
今日も明日も、一週間後も一年後も、永遠に悲しい。
あたなと話すためにこの場所をつくることにした。
母親の「私」と自殺してまもない16歳の息子との対話で進められる、
著者の実体験をもとに書かれた物語。
生前と同じような調子で、生と死の境界線を超えて会話から、母親の底なしのかなしみが伝わり強く心を打つ。
魂をゆさぶられる他に類をみない秀逸な作品。