『千兎』 田中望
『千兎』
田中望 画文 / 信陽堂 / 菊変形判コデックス装 / 168P
座礁鯨を描いた大作「ものおくり」で2014年VOCA展で大賞に輝きアートシーンに鮮烈に登場、その後もさまざまな地域に滞在し、その地に暮らす人たちと農作業、年間行事、祭礼などをともにし、土地の伝承や民話などのフィールドワークから作品を作り続けてきた田中望。
時に全幅数メートルにも及ぶ巨大な画面に、奔放に、精緻に描かれた奇想の天地と、画面を埋めつくす数千もの兎。デビュー作(東北芸術工科大学卒業制作)にして代表作「ハレノノヒ」、参詣曼荼羅の形式を借りて描かれた「山の神の縁日」「火の同盟」はじめ6作品を収録。単なる複写ではなく、絵の世界にもぐり込むように接写、一枚の作品を数十の場面で再現した驚異の作品集です。英文併記。
目次
ハレノノヒ
大宝市
ひのもとのくに
塩と土
山の神の縁日
火の同盟
収録作品について 田中望
index
前書きなど
本書はアーティスト田中望のこれまでの画業から、酒田市松山文化伝承館にて行われた 「田中望絵画展 自然の営み人の営み」(2021年11月19日~2022年2月6日)に出品された作品を中心に編まれた。
読者が遠景、中景、近景を自由に行き来しながら画中の天地を逍遥し、全体像だけでなく細部までくまなく体験できるよう、作品を主観的に複写し構成している。