『私は小説である』 佐々木敦
『私は小説である』
佐々木敦 / 幻戯書房 / 四六判上製 / 384P
「こんなことさえも小説には可能なのだということ、それだけが、ほんとうに重要なことなのだ。」
サミュエル・ベケットに始まり、小島信夫、小沼丹、保坂和志、大江健三郎、村上春樹、蓮實重彦、円城塔、筒井康隆、磯崎憲一郎、古川日出男、坂口恭平、山下澄人、飴屋法水、そして再びベケットの方へ。「小説の可能性」を酷使/拡張する試みに共振する、『あなたは今、この文章を読んでいる。』『新しい小説のために』に続く小説論。装丁はいま注目を集める制作集団「いぬのせなか座」の山本浩貴+h。
目次
はじめに
1. 事実
小島信夫の/とベケット
反実仮想のかなしみとよろこび――小島信夫の/とベケット2
「自然成長性」にかんするメモ――小島信夫『別れる理由』
不可逆性と運命
おわりなきおわりのはじまり――小島信夫『公園/卒業式』
慟哭と吃驚――小島信夫と小沼丹
想い出すことなど――小沼丹『藁屋根』
慕情と追憶――小沼丹『お下げ髪の詩人』
「あなた」のための音楽――保坂和志『地鳴き、小鳥みたいな』
2. 虚構
大江健三郎VS村上春樹
凡庸ならざる肖像画家の肖像――村上春樹『騎士団長殺し』
小説家蓮實重彦、一、二、三、四、
3. 小説
序章と終章と文字
筒井康隆は「パラフィクション」を書いたのか?
三つの「小説」について
死んで いる者たち
おわりに