『あかるい花束』 岡本真帆
『あかるい花束』
岡本真帆 / ナナロク社 / B6変形並製 / 176P
8刷累計2万部を突破した『水上バス浅草行き』から2年、
待望の第2歌集を刊行いたします。
2拠点生活の中で詠まれた歌265首と、
装丁の鈴木千佳子さんによる花の絵を束ねました。
【著者より】
歌集を出したあと、私は東京と高知での生活をはじめた。
二つの場所を行き来する中で、考えたことや思い出したことが、短歌になりました。
岡本真帆
【収録歌より7首】
わたしもう、夏の合図を待っている 冬至の長い夜からずっと
ただしくよりたのしく歩く 光ってる水が見たくて すこし小走り
本当に正しかったかわからない決断たちよ おいで、雪解け
乱丁のある文庫本抱きしめる 愛すよたったひとつの傷を
あなたと過ごした日々は小さな旅だった 空っぽの花器の美しいこと
スパイスは火花に似てるわたしからわたしへ送る強い喝采
しゅくふくとはじける泡が光ってる 祝福 きみにはじめましてを
【著者プロフィール】
岡本真帆(おかもと・まほ)
1989年生まれ。高知県、四万十川のほとりで育つ。未来短歌会「陸から海へ」出身。
2022年に第一歌集『水上バス浅草行き』(ナナロク社)を刊行。