『気がする朝』 伊藤紺
『気がする朝』
伊藤紺 / ナナロク社 / B6変判並製 / 120P
『肌に流れる透明な気持ち』、『満ちる腕』(ともに短歌研究社刊)の伊藤紺。
第3歌集をナナロク社から刊行。
【収録歌より7首】
親しい会話がしたい 水のペットボトル持って 好かれてるに決まってて
駅まではいつもぴったり8分であなたに会わなくなってから2年
この人じゃないけどべつにどの人でもないような気がしている朝だ
さみしくはないけど一人暮らしのこんなにも小さな燃えるゴミ
海を見た日は胸に海が残ること ふつうに人を信じてること
その曲が始まるとみんな喜ぶというよりすこし美しくなる
僕らいっせいに喜び合って生きものは愚かなほうがきれいと思う