『風にあたる』 山階基

『風にあたる』
山階基 / 短歌研究社 / 四六判変型 / 152P


心にふれる、という言葉がこんなに似合う歌はないと思う。
                     ──東直子(歌人)
もといくんの歌集の中で暮らしたい ゆくてのシャツを乾かしながら
                     ──枡野浩一(歌人)



2010年から2019年までの
短歌作品346首を収録。



【歌集より】

ほっといた鍋を洗って拭くときのわけのわからん明るさのこと

乗るたびに減る残額のひとときの光の文字を追い越して行く

菜の花を食べて胸から花の咲くようにすなおな身体だったら

三基あるエレベーターがばかだからみんなして迎えに来てしまう

ないような夜と海とのあわいからちぎれる波に洗われていた

恋人をまじえて水炊きをかこむ呼びようのない暮らしの夜だ

夕闇にしずむこの世のおみやげに吊るしたシャツは風が抱き取る


【著者について】
山階 基 (やましな・もとい)
1991年広島県に生まれる。
2010年 短歌を書きはじめる。
2016年 第59回短歌研究新人賞次席
2017年 未来賞受賞
2018年 第64回角川短歌賞次席、第6回現代短歌社賞次席
2019年 歌集『風にあたる』刊行

2019年からイベント「屋上と短歌」を東京・西日暮里「屋上」と共同で不定期開催。
麻川針(あさかわ しん)名義で組版・デザインを手がける。

早稲田短歌会出身
未来短歌会「陸から海へ」出身

¥1,870

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