『歌集 Dance with the invisibles』 睦月都
『歌集 Dance with the invisibles』
睦月都 / KADOKAWA / 四六判上製 / 224P
華麗なのに切なく、繊細なのに鋭く、新奇なのに懐かしい。
未体験のワンダーランドに、あなたはきっと溺れていたくなる。
予測不能の睦月都ワールドへの招待。短歌という一ジャンルを超えた、人類の希求に対峙しようとする創作者の最初の書物をことほぎたい
――水原紫苑
猫も雨も風も崖も一体化していくような迫力がある。睦月さんの歌には、様々な境界を越えようとする意識が通底している
――東直子
意味として言語化・論理化される手前の印象や雰囲気、手触りといったものをコントロールするのが本当に巧みだ
――染野太朗
【収録作品より】
春の二階のダンスホールに集ひきて風をもてあますレズビアンたち
木のスプーン銀のスプーンぬぐひをへ四月の午後は裸足でねむる
猫といふさすらふ湖(うみ)がけさはわが枕辺に来て沿ひてひろがる
口紅といふ制度さびれて三度目の春の一千枚目のマスク
いつか小さなアパートになつて冬の日の窓辺にあなたの椅子を置きたい