『アンダイング 病を生きる女たちと生きのびられなかった女たちに捧ぐ抵抗の詩学』 アン・ボイヤー
『アンダイング 病を生きる女たちと生きのびられなかった女たちに捧ぐ抵抗の詩学』
アン・ボイヤー 著 / 西山敦子 訳
里山社 / 四六判並製 / 288P
「病気は決して中立的なものではない。治療はイデオロギーと無縁ではありえない。死が政治性を免れることもない。」
2020年ピュリッツァー賞受賞作。
41歳でトリプルネガティブ乳がんになった詩人が、スーザン・ソンタグ、オードリ・ロード、キャシー・アッカーなど、乳がんで命を落とした女性作家らの歩みを辿りながら、米国の資本主義医療の欺瞞を突く。ケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』で高い評価を得た訳者、西山敦子による待望の著者初邦訳!「死んだ女性たちからなる反乱軍をこの世に生き返らせたかった。」新田啓子氏、絶賛!アンダイングとは、不死身ではない我々への呼びかけであり、命を落とした人々への哀悼でもある。がん医療の実際と病を語り伝える人間の不屈さを綴る本書を前に、私自身の人生観が静かに変わる。
目次
プロローグ
お告げと診断
パビリオンの誕生
病床にて
預言はどうなった?
欺瞞
ジュリエッタ・マシーナの涙の神殿にて
消耗した生
デスウォッチ
エピローグ そして 私を救ったもの
謝辞
訳者あとがき