『十六の言葉』 ナヴァー・エブラーヒーミー
『十六の言葉』
ナヴァー・エブラーヒーミー 著 / 酒寄進一 訳
駒井組 / 四六判仮フランス綴じ装 / 288P
21世紀世界文学の最先端がここに。
イランで生まれドイツで育った女性モウナー。祖母の葬儀に出席するために母とイランに戻った彼女は、その旅の間に自分の人生を振り返るなかで、イスラーム文化とドイツ文化のはざまで、自分を見失うことなく生きていく重要性を改めて認識していく。
家族、仲のよかったドイツ人の旧友、20代でしばらくイランで過ごした時に知り合った人たち。思い出していくうちに、自らの出生に関わる衝撃的な事実が明かされることになり…
ドイツ語圏の移民文学の旗手が書いたデビュー作、ついに邦訳。
三つの文学賞を受賞した注目の小説。
「誰しも人生で最初に覚える言葉がある。その言葉が見事に私を不意打ちにした。ちょうど、ここで取りあげる十六の言葉と同じように。その言葉から身を守ることは、ただの一度も成功したことがない。『ほかにも言語はあるんだぞ。おまえの母語だ。おまえがいま口にしているのがお前の言語だと思ったらまちがいだ』十六の言葉は繰り返しそういうメッセージを送りつけてきた。私は何度も何度もその十六の言葉を突きつけられてきた。」(プロローグより)
目次
この小説を読む前に
プロローグ
1 マーマーン・ボゾルグ おばあちゃん
2 モルデシュー 納棺師
3 コス 陰部
4 ハーステガール 求婚者
5 チューべ・ド・サル・ゴヒー 両端に糞がついた棒
6 チューべ・ド・サル・タラ― 両端が黄金の棒
7 エザーフェ・バール 超過手荷物
8 アナール ザクロ
9 ガリーベドゥースト 外面がいい奴
10 シェルキャテ・ナフト 石油会社
11 バーバー・アーブ・ダード 父さんが水をくれた
12 ナルムコナンデ コンディショナー
13 ジュージェ ヒヨコ
14 チャハール・ラーフ 四本道
15 ドル―グ 嘘
16 アーザーディー 自由
訳者あとがき