『夜のだれかの岸辺』 木村紅美
『夜のだれかの岸辺』
木村紅美 / 講談社 / 四六判上製 / 160P
「毎晩、添い寝してほしい、ついでに朝ごはんもいっしょに食べてほしい」
19歳の春、茜は89歳のソヨミに雇われ、風変わりなアルバイトを始めた。
Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞の『あなたに安全な人』に続く最新作。
「当時の私は大学にはゆかず浪人しているわけでもなく、漠然と、映画に係る仕事をしてみたい、と望んではいたものの、
憧れる都心のミニシアターのバイトに応募しては履歴書で落とされていた。
ひと月でおよそ九万円。家の食費も浮く。妥当な金額に思えた添い寝を、試してみることにした。」(本書より)