『ドイツ語圏のコスモポリタニズム 「よそもの」たちの系譜』 菅利恵 編
『ドイツ語圏のコスモポリタニズム 「よそもの」たちの系譜』
菅利恵 編 / 共和国 / 菊変型判並製 / 336P
「よそもの」たちは、世界とどう関わってきたのか?
ユダヤ文化、カント、ロマン主義、テオドール・フォンターネ、トーマス・マン、エルンスト・ブロッホ、ハンナ・アーレント、さらにイルマ・ラクーザや多和田葉子まで。地域・空間・時間を超えた「コスモポリタニズム」(世界市民主義)の理念はどのように形成され、議論されてきたのかを問う気鋭の研究者8名による論集。
執筆者=菅利恵(京都大学教員)、高橋優 (福島大学教員)、西尾宇広 (慶應義塾大学教員)、磯崎康太郎 (福井大学教員)、山室信高 (東洋大学教員)、吉田治代 (立教大学教員)、渡名喜庸哲 (立教大学教員)、新本史斉 (明治大学教員)
目次
はじめに――コスモポリタニズムと「よそもの」(菅利恵)
第1章 「永遠平和」への道――ヴィーラントとカント(菅利恵)
第2章 「詩的国家」と「世界共和国」――ロマン主義におけるコスモポリタニズム(高橋優)
第3章 「世界文学」の十九世紀――「多様性における統一」の理念をめぐって(西尾宇広)
第4章 十九世紀後半におけるコスモポリタニズムとフォンターネ『エフィ・ブリースト』(磯崎康太郎)
第5章 「我あるところドイツあり」――トーマス・マンのコスモポリタニズム(山室信高)
第6章 歴史への遡行、世界市民的介入――トレルチとブロッホ(吉田治代)
第7章 ハンナ・アーレントとコスモポリタニズム(渡名喜庸哲)
第8章 二十一世紀の越境する創作者たちが描く、もう一つのコスモポリタニズム――なまり、言い間違い、同音反復、そして翻訳(新本史斉)
おわりにかえて――ドーロホフの目(菅利恵)
ドイツ語圏のコスモポリタニズム 略年表