『ためらいの看護 増補』 西川勝
『ためらいの看護 増補』
西川勝 / ハザ / 四六判並製 / 304P
「不自由な手で、ようやくスプーンを口元まで運んだ人が、好物のゼリーに目を丸めてぼくに喜びを伝える。ハラハラして見ていたぼくにも嬉しさがこみ上げる。相手の喜びを理解したからというのではない。ただ見ているだけ、というぼく自身の弱さから救われた喜びである。そのぼくを見て、相手の目がさらに輝く。……生きている限り心臓が弾み続けいのちを支えるかのように、ケアの弾性は人と人の間にいのちをもたらす」(本書より)
介護・看護の現場から生まれた臨床哲学の名著の増補版。巻末に九鬼周造『偶然性の問題』をテーマにした著者の修士論文を新たに収録。