『ババウ』 ディーノ・ブッツァーティ
『ババウ』
ディーノ・ブッツァーティ 著 / 長野徹 訳
東宣出版 / 四六判並製 / 219P
没後50年、追悼出版第二弾――ブッツァーティが編んだ最後の短篇集
作家自身が編んだ最後の短篇集『難しい夜』の前半部分26篇を訳出!
三十年の時を経て、ついに全ての収録作品が邦訳される。
ババウを抹殺することは、人間自身の想像力や
空想力を抑圧することをも意味するだろう。
――「訳者あとがき」より
人里離れたアルプスの一角にある療養所で行われている驚くべき安楽死法を語る「誰も信じないだろう」、全人類の滅亡の可能性をS F的な奇想を用いて描く「十月十二日に何が起こる?」、一匹の野良犬の死がきっかけで中国とアメリカの核戦争が勃発する「ブーメラン」、美人コンテストに担ぎ上げられた障害のある少女の絶望が引き起こすカタストロフィ「チェネレントラ」、夢の中に入りこむ夜の巨獣の退治譚「ババウ」など、老いや死、現代社会の孤独や閉塞感といったテーマを、幻想とアイロニーと諧謔を織り交ぜたシンプルな文体で描く26篇。