『観光』 ラッタウット・ラープチャルーンサップ
『観光』
ラッタウット・ラープチャルーンサップ / 古屋美登里 訳
早川書房 / 文庫判
美しい海辺のリゾートへ旅行に出かけた失明間近の母とその息子。遠方の大学への入学を控えた息子の心には、さまざまな思いが去来する――
なにげない心の交流が胸を打つ表題作をはじめ、11歳の少年がいかがわしい酒場で大人の世界を垣間見る「カフェ・ラブリーで」、闘鶏に負けつづける父を見つめる娘を描く「闘鶏師」など全7篇を収録。人生の切ない断片を温かいまなざしでつづる、タイ系アメリカ人作家による傑作短篇集。紀伊國屋書店で開催された〈ワールド文学カップ〉でMVPを獲得した話題作、ついに文庫化。