『ニュー・ダッド あたらしい時代のあたらしいおっさん』 木津毅
『ニュー・ダッド あたらしい時代のあたらしいおっさん』
木津毅 / 筑摩書房 / 四六判 / 256P
時代は変わった。だからこそ、
〈男らしさ〉を乗り越える
「ダッド」たちを愛したい!
おっさん好きのゲイが真面目に、ときめきながら考えるこれからの「父性」「男性性」
「おっさん=古いもの、いまの社会の悪しき土台を作ったもの」とみなされる今日この頃。
それならいま「おっさん」はどこへ行くべきなのか?
国内外のポップカルチャーをヒントに、「あたらしいおっさん=ニュー・ダッド」たちの姿を見つめるエッセイ。
ドラマ『ストレンジャー・シングス』、 映画『20センチュリー・ウーマン』、ブルース・スプリングスティーンやボン・イヴェールといったミュージシャン、 ゲーム『Detroit: Become Human』、漫画『クッキングパパ』といったカルチャーの中のニュー・ダッドたちから、パパ系インスタグラマー、プリキュア好きの「大きなお友だち」といった市井のニュー・ダッドまで。
成熟の先にある優しさこそがセクシーだ。
僕はおっさんの見た目だけでない何か、おっさんが表象する何かにいまも惹かれているのである。
若い男には似合わない、ふさふさとした髭が暗示している何かに……。
どうやらそれが英語圏で「ダッド」と呼ばれている要素であることがわかってきた。
(「はじめに」より)