『君という生活』 キム・ヘジン
『君という生活』
キム・ヘジン 著 / 古川綾子 訳
筑摩書房 / 四六判 / 224P
親密な関係なのに心がすれ違う「君」と「私」の変奏曲。
さびれた教会前で野良猫に餌をあげていた私に話しかけてきた君と、地域の再開発話。
大學新聞に所属する私と君と、ある嫌疑をかけられる先生の話。
パーティで好奇と同上の目にさらされ、当惑する同性カップル。
同等な存在だと思っていたのに、亀裂が入る君と私。
『娘について』『中央駅』など、疎外された人々の視点から韓国社会を描いてきた著者の、寂寥感と抒情が溢れ胸に迫る短編集。