『郊外のフェアリーテール キャサリン・マンスフィールド短篇集』西崎憲 編訳
『郊外のフェアリーテール キャサリン・マンスフィールド短篇集』
キャサリン・マンスフィールド 著 / 西崎憲 編訳
亜紀書房 / B6判並製 / 328P
薔薇、お茶、リボン、焼き菓子……。
完璧な幸福の中にひそむ死、誘拐、心変わりや別離。
――外から来た少女は、世界の裂け目を覗き込む。
ニュージーランドに生まれたマンスフィールドは、ヨーロッパに暮らす人々の優雅な幸福を活写する。同時に日常の翳に見え隠れする、死、階級差、裏切り、別離なども、彼女の眼は射抜いていく。
小さなお菓子のような短篇には、毒や皮肉も混ざっていて、人間社会の普遍を描く。
ヴァージニア・ウルフのよきライバルで、短篇の革新者。
マンスフィールドの比類なきコレクション。