『吉田知子選集Ⅱ 日常的隣人』
『吉田知子選集Ⅱ 日常的隣人』
吉田知子 著 / 町田康 解説 / 景文館書店 / 四六変型判並製
作家・吉田知子の小説選集第2弾。
つる子の隣に越してきた若い男は庭に境を作りたがった。
「ぼくは理想的な隣人と言えますね。大丈夫ですよ、心配しなくても」
男の赤く光った唇を見ると腹がたってきた。
あんな男に垣根を作らせてなるものか、だって私の家の垣根なんですから…。
垣根をめぐる女と男の人間関係をユーモラスに描いた「日常的隣人」など、連作・日常的シリーズほか、純文学作品「人蕈」を収録。
怖くて楽しい全11作の短篇集。
巻末には収録作品を題材にした問題、「日常的隣人への四題」を収録。