『ヌマヌマ はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』
『ヌマヌマ はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選』
ミハイル・シーシキン 他著 / 沼野充義,沼野恭子 訳
河出書房新社 / 四六変型判上製 / 244P
恋愛、叙情、恐怖、SFなど、多様な作家の個性が響きあうアンソロジー。ビートフ、エロフェーエフ、トルスタヤ、ペレーヴィンら、現代ロシア文学紹介の第一人者たちが厳選した12の短篇。
英雄ガガーリンの母が“地球の心臓部”に突き進む「空のかなたの坊や」、厳格な校長だった母の思い出を抒情豊かに綴る「バックベルトの付いたコート」、ロシアの大都市を麻痺させたコンピュータ・ウィルスをめぐる数奇な物語「聖夜のサイバーパンク、あるいは『クリスマスの夜―117.DIR』」、“ロシア文学史上もっとも汚い言葉で書かれた小説”と称される型破りな「ロザンナ」、孤独な女教師の追憶を流れるような文体で活写する「霧の中から月が出た」、ある知識人が罰として引き取ることになった“レーニン”が大暴れする「馬鹿と暮らして」、モスクワのバラックを舞台に悪臭と官能が入り混じる「赤いキャビアのサンドイッチ」、謎の作家が体験する鏡の中の世界を描く「トロヤの空の眺め」など、すべてがユニークかつオリジナルな12の物語。
収録作
「空のかなたの坊や」ニーナ・サドゥール
「バックベルトの付いたコート」ミハイル・シーシキン
「庭の経験」マリーナ・ヴィシネヴェツカヤ
「聖夜のサイバーパンク、あるいは「クリスマスの夜−117.DIR」」ヴィクトル・ペレーヴィン
「超特急「ロシアの弾丸」」オリガ・スラヴニコワ
「ロザンナ」エドワルド・リモーノフ
「おばあさん、スズメバチ、スイカ」ザハール・プリレーピン
「霧の中から月が出た」タチヤーナ・トルスタヤ
「馬鹿と暮らして」ヴィクトル・エロフェーエフ
「刺青」エヴゲーニイ・グリシコヴェツ
「赤いキャビアのサンドイッチ」アサール・エッペリ
「トロヤの空の眺め」アンドレイ・ビートフ