『たそがれ』 黄晳暎
新しい韓国の文学 22
『たそがれ』
黄晳暎 著 / 姜信子,趙倫子 訳
クオン / 四六判並製 / 216P
「わたしたちはいったい何を間違えてしまったのでしょう」
取り返しのつかない過去を思いつつ、さまよう人々の叫びと祈りの物語
1960年代以降、大学進学によって貧しさから脱け出し、軍事政権による開発経済の恩恵を受け、建築家として成功した初老の男性。
急速な発展の結果として拡大した現在の格差の中で、多くをあきらめながら苦しい生活を送る劇作家の若き女性。
持てる者が失わなければならなかったものは何か。
持たざる者がなお手放さないものは何か――。
韓国文学を代表する作家が、現代社会に生きる人間の魂の痛みを静かに描き出す。
ブッカー国際賞の候補作にも選ばれた、
韓国文学を代表する作家 黄晳暎による中編小説