『だれも死なない日』 ジョゼ・サラマーゴ
『だれも死なない日』
ジョゼ・サラマーゴ 著 / 雨沢泰 訳
河出書房新社 / 四六変型判 / 264P
新年の始まり以降、この国ではだれも死ななくなった。高齢で衰弱する皇太后陛下、成功確実な自殺者、交通事故で十二分に息絶えたはずの人体、致命的な墜落事故……。死(モルト)の活動停止を寿ぐ歓喜の高波の一方で、商売の材料を奪われた葬儀業界、死の不在によってベッドが不足する病院経営者、生と死の循環が滞った老人ホームなど、危機に陥る人々。国境の村では、生死の需要と供給を補うためにマーフィアが暗躍し、死を求める人々を国外に運びだす。悲喜こもごもの事態の中、テレビ局の会長の手元に紫色の封書が届く……。
傑作『白の闇』で、謎の感染症により人々が突然失明していく世界を描いたノーベル賞作家の「もっとも完璧な作品」と称される驚愕の思考小説!