『天路』 リービ英雄
『天路』
リービ英雄 / 講談社 / 四六判上製 / 194P
国と国、言葉と言葉の〈間〉を旅する作家がたどりついた、世界の臨界点。世界の声が響きあう越境文学の達成!
アメリカを捨て日本に移り住んだ作家は、故国に残した母の死を抱えて中国の最果て、チベット高原へと赴く。
一千年の祈りの地でたどる、死と再生の旅。
30年前から日本に暮らすアメリカ国籍の「かれ」は、故国の母の死を受けいれられぬまま、漢民族の友人とともにチベット高原を旅する。「世界の屋上」と呼ばれるその土地は、一千年来、ひたすら生と死に思いをめぐらせてきた人々の文化が息づく場所だった。異質な言葉との出会いを通して死と再生の旅を描く、読売文学賞作家の新たな代表作。