『スモッグの雲』 イタロ・カルヴィーノ
『スモッグの雲』
イタロ・カルヴィーノ 著 / 柘植由紀美 訳
鳥影社 / 四六判上製 / 154P
「スモッグだ!」クラウディアに叫んだ。「あれが見える?スモッグの雲だよ!」
だが彼女は、…何かに気をとられていて、鳥のひと群れが、飛ぶのを見ていた。そして私はといえば……。
存在の仕方が異なる五人の副次的人物との関わりから描かれる「私」という人物像。樹上を軽やかに渡り歩く「ペンのリス」カルヴィーノの1950年代の模索がここにもある。
他に掌篇四篇併載。─本邦初訳─