『愛と家事』 太田明日香
『愛と家事』
太田明日香 / 創元社 / 四六判並製 / 128P
「家族をつくることに失敗した。」こんな書き出しではじまるエッセイ集。
ZINEとして2016年8月に発行し、好評を博した広い意味での「家族」をテーマとする自伝的作品『愛と家事』。その増補再編集版。虐待までされてないし、愛されている。けれど、お母さんとなんかしっくりいかない。形は違えども、多くの女性が抱える、母親の「愛情が重たい」という苦悩や、一度目の結婚の失敗と挫折からの回復などを赤裸々に綴り、共感を呼んだエッセイ集。新たに、30歳頃に遅れてやってきた母への反抗期や、淡路島の農家で共に暮らした祖父母の話などを加えた、小さいけれど切実な話をつづった可憐な小品集。