『増補 女性解放という思想』 江原由美子
『増補 女性解放という思想』
江原由美子 / 筑摩書房 / 文庫判並製 / 304P
「女性解放」を論じることはなぜ難しいのか。
あるべき解放論を示すのではなく、かつて女性解放の運動と理論が直面した対立や批判、矛盾やその破綻を描くことで、今なお残る困難の数々を深く鋭く明かす論考集。
I部には、イデオロギーに根ざす80年代女性解放論への批判と、「性差があるから差別ではない」とする言説の本質的な不当性を喝破した論考を収録。II部では、ウーマンリブ運動の思想史的位置付けと再評価を行い、III部では、フェミニズム運動への「からかい」が、非難や攻撃にもまさる抑圧的効果をもったことを明かした「からかいの政治学」など、メディアにおける女性表象の問題を追求した。
今日までの状況を俯瞰する1章を加えた増補版。