『そこで食べたから、わたしでいられる』 熊谷充紘
『そこで食べたから、わたしでいられる』
熊谷充紘 / ignition gallery /A6判 中綴じ / 24P
装画・挿画:林雅子 / 装幀:横山雄(BOOTLEG)
病の時代がやってきて、好きなように外出ができなくなり、自分の輪郭がだんだんぼやけていくような感覚におそわれました。特に、喫茶店やカフェで過ごす時間が好きだったわたしは、そこで食べるということが、自分自身と出会うことだったんだと気づきました。
外食は、その場所の空気や食材、働く人といった、他者を食べるということ。そこでの他者との接触が、わたしという輪郭を生んでいた。
だからわたしは、思い出す。そこで食べた喜びを、他者を、わたしを、忘れないために。
2017年から2020年にかけて、好きなお店に行き、味や匂いや音を、肌触りや感情といった経験に置き換えてinstagramに残してきた記録を、2020年4月29日のわたしがいま新しく生きた記憶として、まとめたのがこの小さな1冊です。
---
《訪れたお店》
喫茶 carta(岩手) / ブレイク(福島) / nicolas(東京) / ウエスト青山ガーデン(東京) / 原美術館 カフェダール(東京)/ circus(東京) / コマグラカフェ(東京) / SALON DE THE LeRoux(愛知) / 喫茶 青砥(愛知) / mado cafe(愛知) /喫茶 月森(兵庫) / トアロードデリカテッセン(兵庫) / cafe moyau(岡山) / 橙書店(熊本)
全国14店舗、17メニューの、食と記憶のスケッチブック。林雅子の絵が、記憶を開き、息を吹きこむ。
購入者特典の絵はがき付きです。装画・挿画の林雅子さんによる絵です。
(版元サイトより)