『ファットガールをめぐる13の物語』 モナ・アワド
『ファットガールをめぐる13の物語』
モナ・アワド 著 /加藤有佳織,日野原慶 訳
書肆侃侃房 / 四六判並製 / 286P
宇宙はわたしたちに冷たい。理由はわかっている。
インディーズ音楽とファッションをこよなく愛す主人公のエリザベス。特別な人生は望んでおらず、ただ普通にしあわせになりたいだけ。
けれど高校でも大学でも、バイトをしても派遣社員となっても、結婚しても離婚しても、太っていても痩せていても、体のサイズへの意識が途絶えることはない。
自分と同じ失敗をさせまいとする母親、友だちのメル、音楽を介してつながったトム、職場の女性たち……。彼らとの関係のなかで、傷つけ、傷つけられ、他者と自分を愛する方法を探してもがく。
人が自分の体を生きることの居心地のわるさを描き出した、注目の作家モナ・アワドのデビュー作。