『白木蓮はきれいに散らない』 オカヤイヅミ
『白木蓮はきれいに散らない』
オカヤイヅミ / 小学館 / A5判並製 / 240P
「ほんとうは料理も掃除も洗濯も好きじゃない」専業主婦のマリ
「自分の身を守るなんてこの歳までしたことなかった」夫と離婚調停中のサヨ
「お嫁に行って子供を産まなきゃだめですか」キャリアウーマンのサトエ
1963年生まれの3人は高校時代の友達。同じクラスだったヒロミが、自らが所有する「白蓮荘」の部屋で孤独死したのをきっかけに久々に集まる。ヒロミが残した遺書にはなぜか、それほど親しくもなかった3人の名前が記されていて、庭に大きな白木蓮が植えられたアパートと謎の店子のその後についてのお願いが--
どうして3人だったのか。変わらない関係、変わりゆく状況の中で、それぞれ人生を見つめていく先に待ち受けているものは。「しんどい現実」を生きる3人の女性をあたたかな眼差しで描き出した野心作。