『さいごのゆうれい』 斎藤倫 / 西村ツチカ
『さいごのゆうれい』
斎藤倫 作 / 西村ツチカ 画 / 福音館書店 / 304P
ゆうれいと過ごした、四日間。
世界中が「かなしみ」や「こうかい」を忘れて、だれもが幸せだった〈大幸福じだい〉と呼ばれた時代があった。そんな時代の夏休み、小五だったぼくは、田舎のおばあちゃんちに預けられた。空港のあるその町で、いわゆる「お盆」の、その最初の日に、ぼくは、ひとりのちいさなゆうれいに出会った。その子はいう。自分が、ゆうれいのさいごのひとりかもしれないと。ゆうれいを救い、世界を取り戻すために、ゆうれいと過ごした四日間。