『風の便り』小山清
『風の便り』小山清
夏葉社 / 四六判変形上製 / 128P
清純で、不遇の作家の、私信のような、ちいさな随筆集。
小山清は、師である太宰治に愛された、寡作の作家。
生前に発表された単行本はわずか5冊。晩年は失語症となり、ほとんど作品を書くことなく、53歳で亡くなりました。
若いころより肉体労働に従事し、文壇生活よりも、市井のひとびとと交わることで、その作品のテーマを確立してきた作家。
作家が発表したすべての随筆のなかから、友人のこと、働くこと、娘のことなどテーマを5つにしぼり、10編を精選した随筆集。
ちいさくて、けれど贅沢な一冊です。