『日常的実践のポイエティーク』 ミシェル・ド・セルトー
『日常的実践のポイエティーク』
ミシェル・ド・セルトー 著 / 山田登世子 訳
筑摩書房 / 文庫判並製 / 560P
読むこと、歩行、言い回し、職場での隠れ作業……。
それらは押しつけられた秩序を相手取って狡智をめぐらし、従いながらも「なんとかやっていく」無名の者の技芸である。好機を捉え、ブラコラージュする、弱者の戦術なのだー。
科学的・合理的な近代の知の領域から追放され、見落とされた日常的実践とはどんなものか。フーコー、ブルデューをはじめ人文社会諸科学を横断しつつ、狂人、潜在意識、迷信といった「他なるもの」として一瞬姿を現すその痕跡を、科学的に解釈するのとは別のやり方で示そうとする。
近代以降の知のあり方を見直す、それ自体実践的なテキスト。
待望の復刊文庫化。