『木曜日』 盛田志保子
現代短歌クラシックス05
『木曜日』
盛田志保子 / 書肆侃侃房 / 四六判変形並製 / 128P
2003年刊行の第一歌集を新装版として復刊。
未発表を含む「卓上カレンダー」(36首)を追加収録。
【歌集より】
口に投げ込めばほどけるすばらしきお菓子のような疑問がのこる
雨だから迎えに来てって言ったのに傘も差さず裸足で来やがって
きみが身に纏いしものはなにもかもこの世のものなり 北風の勝ち
ひらがなはたぐいまれなる 空中にぽっかり浮いて静止する言語
春の日のななめ懸垂ここからはひとりでいけと顔に降る花
しみこんでくる夕闇の明るさよ田舎とは透明ということ