『現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。』 吉岡乾
『現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。』
吉岡乾 / 創元社 / 四六判並製 / 304P
はやく日本に帰りたい。
ブルシャスキー語、ドマーキ語、コワール語、カラーシャ語、カティ語、シナー語、カシミーリー語……。
文字のない小さな言語を追って、パキスタン・インドの山奥へ――。
著者は国立民族学博物館に勤務するフィールド言語学者。パキスタンとインドの山奥で、ブルシャスキー語をはじめ、話者人口の少ない七つの言語を調査している。調査は現地で協力者を探すことに始まり、谷ごとに異なる言語を聞き取り、単語や諺を集め、物語を記録するなど、その過程は地道なものである。現地の過酷な生活環境に心折れそうになりつつも、独り調査を積み重ねてきた著者が、独自のユーモアを交えつつ真摯に綴る、思索に満ちた研究の記録。