『古森の秘密』 ディーノ・ブッツァーティ
はじめて出逢う世界のおはなし1935
『古森の秘密』
ディーノ・ブッツァーティ 著 / 長野徹 訳
東宣出版 / 四六判変形並製 / 229P
何十年も英米のファンタジーを読み続け、訳し続けてきて、ちょっとやそっとのファンタジーには驚かないぞという自負があった……のに、『古森の秘密』には、ころっとやられてしまった。久しぶりに、心に深く響くファンタジーに出会った。
(金原瑞人さんの推薦文より)
精霊が息づき、生命があふれる神秘の〈古森〉。森の新しい所有者になり、木々の伐採を企てる退役軍人プローコロ大佐は、人間の姿を借りて森を守ってきた精霊ベルナルディの妨害を排除すべく、洞窟に閉じ込められていた暴風マッテーオを解き放つ。やがてプローコロは、遺産を独り占めするために甥のべンヴェヌート少年を亡き者にしようとするが……。聖なる森を舞台に、生と魂の変容のドラマを詩情とユーモアを湛えた文体でシンボリックに描いたブッツァーティの傑作ファンタジー(1935年作品)。