『バイクとユニコーン』 ジョシュ
はじめて出逢う世界のおはなし―キューバ編
『バイクとユニコーン』
ジョシュ 著 / 見田悠子 訳
東宣出版 / 四六判変形並製 / 199P
日常的極限状況が生む宇宙的想像力。
ユーモアがのぞく逆転発想という危機の詩学。
これは本物のキューバ文学だ。
(野谷文昭氏による推薦文より)
ジョスバニは小心者でどもり気味、目立たないタイプの19歳。ヒロイズムに憧れる、ぼさぼさ長髪のヘヴィメタ好きだ。そんな彼の部屋に貼ってある〈青いハーレーのポスター〉と〈白いユニコーンのタペストリー〉は、もう何年も互いに見つめ合い、ため息をつき、いつか一緒になれることを夢見ていた。そしてある日、いましかないわ!と思ったハーレーは、ポスターからタペストリーへと飛び込んだ……相容れない世界に生きながら魅(ひ)かれ合うふたりの姿をファンタジックに描く「バイクとユニコーン」をはじめ、90年代キューバの《特別な時代》を社会背景に、そこに暮らす人々の現実と希望を風味豊かに綴った「トラ猫」「生ける海」「キメラなど存在しない」ほか、近未来ディストピア小説「時のない都市」を収録。