『現代の地獄への旅 ブッツァーティ短篇集Ⅱ』
『現代の地獄への旅 ブッツァーティ短篇集Ⅱ』
ディーノ・ブッツァーティ 著 / 長野徹 訳
東宣出版 / 四六判並製 / 251P
待望の未邦訳短編集 第二弾——中・後期の15作品を収録
ミラノ地下鉄の工事現場で見つかった地獄への扉。地獄界の調査に訪れたジャーナリストが見たものは、一見すると現実のミラノとなんら変わらないような町だったが……。美しくサディスティックな女悪魔が案内役をつとめ、ジャーナリストでもあるブッツァ-ティ自身が語り手兼主人公となる「現代の地獄への旅」、神々しい静寂と詩情に満ちた夜の庭でくり広げられる生き物たちの死の狂宴「甘美な夜」、小悪魔的な若い娘への愛の虜になった中年男の哀しく恐ろしい運命を描いた「キルケー」など、日常世界の裂け目から立ち現れる幻想領域へ読者をいざなう15篇。