『暗い世界 ウェールズ短編集』河野真太郎 編
『暗い世界 ウェールズ短編集』
河野真太郎(編)
著:リース・デイヴィス/グウィン・トーマス/マージアッド・エヴァンズ/ロン・ベリー/レイチェル・トレザイス
訳:川端康雄/中井 亜佐子/西 亮太/山田 雄三
堀之内出版 / B6変 / 244P
日本初のウェールズ小説集。
炭鉱/戦争/女性/日常、ウェールズに根ざした、でも私たちにとても近い5編の物語たち。
本書の編集方針は、ウェールズの歴史とウェールズ文学の歴史をバランスよく過不足なく伝えることは最初から放棄し、個々の作品がそれ自体で独自に、ある種普遍的な「面白さ」を持っているものを選ぶ、というものでした。
その意味で、本書のために選んだ作品は、ウェールズという、多くの読者にとって縁遠い国の経験を描くものというよりは、「近代」と呼ぶしかない、私たちに共有された経験を描くものです。ですがやはり、その一方で、それぞれの作品には、ウェールズの、それぞれの時代における特殊な経験が見まごうことなく刻みこまれています。(編者「あとがき」より)