『目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙』ジョージナ・クリーグ
『目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙』
ジョージナ・クリーグ=著 / 中山ゆかり=訳 / 伊藤亜紗=特別解説
フィルムアート社 / 四六判並製 / 416P
「どうしてヘレン・ケラーのようにできないの?」
常にヘレン・ケラーと比較され育った視覚障害をもつ著者が、「奇跡の人」という偶像へ、怒りと異議申し立ての手紙をつづり、架空の対話を試みる!
「偉人」ではない、一人の盲目の女性としてのヘレンの姿を鮮やかによみがえらせ、抑圧から魂を解き放つ、和解と再生の創造的ノンフィクション。
親愛なるヘレン・ケラー、
あなたは本当のことを語っていますか?
ヘレン・ケラーについてのあらゆる本、インタビュー、記事、その他の資料にあたってヘレンの実人生を研究しつくしてきた著者が、ときに視覚障害当事者としての自らの思いと重ね合わせながら、ヘレン・ケラーの人生の様々な局面をたどり直していく。これまで公に考えられてこなかった一人の女性としてのヘレンの喜び、苦しみ、悩み、挫折、野心やさらにはある「疑惑」や性の問題、秘めた恋愛、恩師サリヴァン先生との関係性などセンセーショナルな側面、そして誰もが避け得ない喪失と老いと死について……ヘレンと著者の二人の道行きとその果てに見た光景とは。苛烈で痛快、魂ゆさぶる再生の物語。