『誰も気づかなかった』長田弘
『誰も気づかなかった』
長田弘 / みすず書房 / 四六判 / 88P
詩人の没後五年を機会に、書き残しながら本にまとまらずに終わった断章の連作「誰も気づかなかった」と、「夜の散文詩」シリーズの5篇を小さな本として刊行。
本があった。
しかしそれが本だと、
ここにいる誰も、気づかなかった。
本は読まれなかったからである。
このようなリズムをそなえた箴言と、晩年の景色を記した散文詩。
長田弘さんがぜひ伝えたかった思索の結晶を傍らに置いて、何度でも読みかえせるように。